残念な ”y軸”!
機械的(安易?)にy軸を用いている傾向ありませんか.もう少しy軸に気を遣って「彩り」を持たせると,算数・数学の展開もより充実すること確実です.

親和性ある例
日常生活とも親和性がある例を紹介します.社会や理科でよく使用されていますね.
例1 x軸:時間,y軸:温度や降水量
例2 x軸:地域,y軸:リンゴ生産高

これらは単純と言ったら失礼でしょうが,要するに,y軸が温度や生産高という1次元量ですので,理解度も進むワケです.
しかし,2次元量となるとどうでしょう.イメージ力を必要としますので,理解度の”格差”が生じます.数学教育のリーダーはこの格差に鈍感であってはなりません.

y軸:2次元量 ⇒ point を押さえましょう

<よろしくない展開例>
y=5x に,x=1,2,3・・・とxに整数値を次々代入する.
点をひたすらプロットする.
直線y=5x を描く(←この段階ではホントは点線.しかし,大方はいつの間にか実線にしてしまう!).
<ゼヒ確認したいこと>
上図で,y軸上の数値:30 は底辺10cm,高さ6cmの三角形の面積ということ.y軸上の16も同様です.
つまり,2次元図形である三角形に伴う数値(面積)を1次元図形y軸に記したワケです.
<具体の展開>
①yの値から,三角形をイメージさせ,口頭で説明させる(→ 高さの確認).
②yの値から,おおよそのxの値をグラフから読み取る(正確には,5x=y を用いることを確認).
「あの先生は,数値が出てくると,何かと元になる形のイメージを言えってうるさいのよ」.こんな数学的シツケ空気感の漂う教室を期待します.
y’=1 から傾き45°の接線が思い浮かばない学生に,工学や物理を指導するのは困難です.
イメージレッスン ⇒ テスト出題で本気度up

Q 図で,点Pは,正方形ABCD(1辺10cm)の周上の動点で,頂点A→B→C→D→A→・・・と進みます.Pの進んだ距離をx, y=△PDA とするとき,次の問に答えなさい.
(1) △PDAについて,上図は点Pが辺AB上の場合(例)です.では,Pが,①BC上,②CD上,③DA上 にあるとき,△PDAの例をそれぞれ描いてください.
(2) yはどんなグラフになりますか.おおよその形を描いてください(フリーハンドで可).
(3) yの式を求め,グラフをかきなさい.
A
(1),(3) 略
(2) 下図(採点に苦労しますね)

<解説>
循環するグラフの特徴把握が第一です.
(1)(2)のような設問を是非,登場させましょう.もちろん,採点上の苦労は分かります.(3)の式化まで届かなくても,イメージできることが得点の一部と分かれば,学ぶ意欲も増すのでは?
上記解答例(2)の採点はどうでしょうか.0点としないでください.後に習うサインカーブと共通面もあります.
関心・意欲の評価は,提出物や挙手,発言回数など「観察」が中心ですが,テスト中の解答姿勢も重要な要素です.
イメージ力up ⇒ 年齢関係なし

海城中学校の入試問題です.痛いところ,突かれますね.
解は,本blogの<補足>最終行です.
<補足>
■ 次回テーマは,「背理法」(予定)です.悪名高き・・・と言ったら語弊ありましょうか.
※海城中学校入試問題の解
①ウ ②オ ③ア ④イ ⑤エ
■ にほんブログ村のバナーをclickしていだだければ幸いです(最初:左,次:右).