limf(x)=b における”=”のイミ
■ P,Q2点間の平均の速さは[距離(Δy)÷時間(Δt)]で求まります.そして,「Δtを限りなく0に近付けていけば,平均の速さから瞬間の速さが求まるであろう」という考えはナットクがいきますね.
このideaを下のグラフで解釈しますと
平均の速さ:直線PQの傾き
瞬間の速さ:点Pにおける接線Lの傾き
となります.
ただマトモに数値計算すると次で述べるように 0/0 (⇒不定形といいます)が登場し,デッドロックに乗り上げてしまうのでした.
■ 上の例:xがaに近づくとその動きに応じて直線mの傾きは接線Lの傾きにドンドン近づく.しかし
$$v=\frac{f(a)-f(a)}{a-a}=\frac{0}{0} $$
となることから,x=a とはできない(0/0の不定形).正にジレンマです.
■ そこでコーシー(1789~1857,フランス)は次の手を打ったのです.ナント究極の値:x=a へのこだわりをアッサリと捨てます.
つまり不問扱いですね.
<その代わりのidea>
Ⅰ xがaに近づくとき,応じて F(x)が有限確定値b に限りなく近づくという”接近経過の確認“でもって極限値bを定義し,[x→a]limF(x)=b と書く
⇒ したがって,現段階では,極限値における”=”と2+3=5 の”=”は意味合いが異なると言えそう.
Ⅱ 数式
ε-δ方式という数式で示されますが,詳しくは専門書で確認してください.
気分としては次のような内容です(例:a=1, b=2)
⇒ F(x)を2にありったけ近づけても(例:1.89, 2.0001, 1.99999…),1に限りなく近いxがつねに存在する.
このとき「xが1に近づくとき,F(x)は極限値2をもつ」といいます.
ここで注意したいこと.極限値2=F(1)とは主張しておらず,一致することもありますが,F(1):なし,or F(1)≠2 の場合もありです.
⇒ 極限値と関数値はベツモノ
■ 極限値の定義は,接近経過確認でもって極限値が存在すると言い切り,極限値が「究極の値」としたのです.
■ 上は,極限値: 2, 関数値F(1): なし の例です.
<補足>
■ 極限値の定義は,「情緒的な定義」です(数学の中でもレアケース).何となく気分で分かったような気を持たせる危険性に注意したいものです.
■ 次回テーマは「極限値 ← 究極のたとえ話」(予定です).
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