「or は and を含む」ナットク

かつ(and) と または(or)は基本論理用語の代表ですが,日常用語としても浸透している(あるいは,定義の話だろう),という姿勢には疑問を感じます.

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■ 「誕生日に,PC か ハワイ旅行券をプレゼントしよう」と言われたらどう答えます?

この場合,普通,どちらか一つを選択しますね.

しかし,数学上では「PC かつ ハワイ旅行券」もok,つまり,ちゃっかり両方いただくことも可能なのです.

■ このちゃっかり判断の根拠は? 突き詰めると,数学上のルール(定義)となりましょうが,ナットク感・説得感に欠けますね.

■ 日常生活を送るとき「~または~」は,”どちらか一方”という解釈で,ほぼコトは済む・済まされます.

しかし,最近目にした大相撲の例はどうでしょう.

千秋楽本割(ほんわり)で

「P:横綱照ノ富士が大関に勝つ,またはQ:平幕隆の勝が関脇に負ける

と照ノ富士の優勝が決定し,決定戦は無しとなる状況でした.

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実際は,本割の結果,{照ノ富士(×)}かつ隆の勝(○)}になって,照ノ富士優勝 とはならず,決定戦へと進んだワケです.

つまり,「または」には下の4つの場合があり,いずれにも「かつ」が含まれているとするべきなのです(↓ 4段目 No かつ No のように ).

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■ 図(ベン図といいます)による解釈も有効です.

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■ 教科書では,「かつ」は早々と登場します.

エッ!高校の話?いやいや小学校低学年からの話です.

見えていない(ステレス性)からです.

例1

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■ 2直線の交点を求めるとき,

①と②を同時に満たす⇔ ① かつ

という理解から連立方程式に論理は進みます.

⇒ 「授業で”かつ” を取り上げて説明せよ」ということではありません.ただ,数学のリーダーには高校数学での展開を見越した指導タイドは必要です.

小学校算数ではさらにステレス性がより高くなります.

例2

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■ この正方形の説明文で

「~直角で辺の~」⇔「~直角で,かつ,辺の~」

という意味です.

かつ が主張する内容を小2で取り扱っているという認識を数学リーダーは持ってほしいもの.”かつ”に限った話ではありません.一事が万事で,数ヶ月もすると子どもたちの学力に歴然たる違いが出ること必定です.

⇒ 高校での指導例:

「論理用語の『かつ』についてですが,高校以上ではしばしば使われます.

古めかしく堅苦しい響きですね.

ただ,小学2年生辺りで既に皆さんは出会っているのですよ.

どんな例があるか思い出してみようか.実は小2の教科書にはこんな例が・・・」(以下略)

<補足>

■ 「または」は「かつ」と比して格段難しいです.教科書デビューも中学校の2次方程式辺りからでしょう(ab=0 ⇒a=0, b=0).

■ 次回テーマは「カップの冷め方」(予定)です.

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