入れ子式「式」に戸惑う
あるものの中に同じ形や種類のものが重ねて入れられている状態を入れ子式構造といいます.

■ イメージとしてはマトリョーシカが思い浮かびます.
造形だけでなく論理や数学でも遭遇することがあります.
クレタ人は嘘つきだとクレタ人が言った
⇒ 「クレタ人は嘘つきである」は正しい主張でしょうか?

■ 過日,新聞に面白い記事を見つけました.
「AI の 使い方聞く AI に」
入れ子式川柳ですね(前述のクレタ人の例ほど悩まされませんが).
教科書・入試問題から
■ 実際の問題2例を紹介します.
ともにf(x)の正体を求める問いです.
「f(x)の中身は,右辺のとおりです」という形をとっていながら,その右辺には,実質f(x)と同一のf(t)やf(y)が入っているのです.

■ 第一印象はいかがでしょうか?
この種のタイプの場合,積分が定積分なので定数Cと置けばよい・・・
⇒ そんなにhow to に走ることなく,まず観察する・させるべきです


■ つまり,f(t)という式の代入は延々と続くワケです.
まるで,「鏡の中の鏡」現象ですね.
さて,どう対応すべきでしょうか?
■ この「頭打ち感」を抱く体感が貴重で,次なるステップにつながります.
⇒ 一事が万事で,数学リーダーには必須の姿勢です.「こうやれば巧くいく」という”how to 紹介業”にドップリと染まることに警戒心を持ちましょう
⇒ 「作問者もイロイロとやるもんだ」くらいの感想を期待しましょう
次は解答例です.


■ 次はかなり以前の東京大学入試問題です.解答は省略しますが,対応の仕方は上の問題例と同様です.

<補足>
■ 「how to 式」指導をいかに克服するか?一つの方法は「疑問を持つ子どもを意図的に育てる」ことです.さらに付け加えるならば,その「疑問」を評価し,まっとうな評定(点数化)をするシステムを構築することです.⇒ まぁマークシート方式を採る限りムリですが.
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