連立方程式の導入3態(×△○)
今や世は「画像」全盛期です.スマホ画面やpower point画面,街中の巨大LEDスクリーン等々・・・.学校でも「チョーク&板書」の肩身は狭くなる一方です.仕方ありませんね.

■ しかし,画像は所詮(しょせん)2次元情報の一つに過ぎません.算数・数学の授業では,ときにリアル教具※を用いることで展開がグッと前進する場合が多々あります.
※リアル教具:関係資料や画像などによらず,”実物”を提示し思考を促す教具
“リアル教具” の例
連立方程式の導入3態(×△○)

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■ モノゴトを学習者に関係なく,教師の課題意識で進めています.
ある意味でラクな授業展開ですね.要するに,伝達ですから.

↓
■ 日常的な光景を紹介しての導入であり創意工夫は感じられますが,学習者の「解こう」「解いてやる!」という心情には今一つ届かない印象.




■ 教室内で,現物の皿を子どもたちの目の前に突き出すことの意義はかなり大きいと考えます.問題のための問題ではなく,目の前にある「課題」を否が応でもリアルに確認する・させることは,学びへの意欲喚起に直結します.
■ この後の展開としては,それぞれのお菓子の値段をx, yとして
立式 → 連立方程式の定義 → 解法(代入法か加減法)
という流れが普通です.
■ しかし,中には次のような反応(展開)もあり得ます.
以下,S2さんの発言要旨の図解です.

左図で,ピンク色箇所が250円ですので200円分がわかり,右図に戻すと,↓

50円分が特定!このように,図解により2つのお菓子の値段は,50円と150円と分かりました.
⇒ 他の学習者の反応は,「すっごい!」「わかる!」等々
⇒ 中には,「ほかのときも説明できるかと言われれば,私にはムリ」との声や表情もありそう
ここで
「今日の目当て」の登場です
■ 昨今,授業の冒頭で「今日の目当て」を板書するヒトが少なくありません(特に学生を含む若い層).指導書には,目当て明示の重要性は説いていますが,そのタイミングを「必ず冒頭で」とは書いていません.

■ 連立方程式の場合,上記のように学習者から「ほかのときも説明できるかと言われれば,私にはムリ」との反応をキャッチしたときが本時の目当て
連立方程式を解こう
を明示するタイミングなのです.
⇒ お菓子の値段をそれぞれx円,y円として
3x+5y=700 ①,2x+3y=450 ②
と立式して,①×2 - ②×3 といった加減法or代入法を解説していきます(以下略)
⇒ S1さんの見事な解説も不要で,加減法等で機械的に答が求まる!
⇒ 「私にはムリ」という学習者に「学びのよさ」が伝わってほしいもの
■ なお,S1さんの説明で,最初の「ピンク色箇所が250円」は,①-②,つまり,x+2y=250 という式に該当します(以下,同様にS2さんの説明を式化してみてください.連立方程式の解を求める一例となっています.
<補足>
■ 次回テーマは「リアル教具」(予定)です.本blogの続きです.
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