濃度:ガクッ!(全国学テ結果)

過日,’22全国学テの結果が公表されました.学テを巡る議論はいろいろありますが,以前から小学校国語と算数は学力保証の視点で分析すべきと考えています.

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■ 理由は次の2点です.

①平均正答率:比較的高い

②正答分布表:グラフが右(高得点側)にかなりずれた正規分布「もどき」形になっている(グラフ:小6算数)

したがって,難問を並べた構成ではなく,基礎(の基礎)をチェックをするべく, 通過(すべき)テスト ⇒ 学力保証 の色彩が強い.

■ つまり,得点に一喜一憂するのではなく,学力保証に直結している問いかけの中身こそ注目すべきかと.

■ その学力保証の視点から今回の結果を見てアゼンとさせられたのが,次の小6算数の濃度問題です(吹出しは付け足し).

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ねらいと正答率

■ 出題側(国研)のねらい意図願いは分かります.

濃度計算の前提として,果汁の割合(=濃度)は,容積を変えても不変であることの念押しです.

そこはいいよね・大丈夫だよね という思いが感じられます.

■ さて,全国の小6生の本問正答率について

Q1 実際の正答率はさておき,(国民として)本問の正答率はどれくらいであるべきと考えますか?

Q2 実際の正答率を選んでください(3択ですからテキトウでも33%は正解になります).

{①81.6% ②71.6% ③61.6% ④51.6% ⑤41.6% ⑥31.6%}

A1 ヒトによりあるべき正答率は異なりますが,管理人として切望する正答率は,限りなく100%です(現実的でないことは承知しています).

極論になります.濃度不変の原理も分からないママ,仮に別の濃度計算で〇をもらってもほとんど意味ないとさえ思ってしまいます.

※ 論は飛びますが,福島の原発汚染水放出の件で,汚染濃度が注目されています.しかし,この場合,核心は濃度ではなく総量(今後,数十年間分)ではないかと考えています ⇒ 濃度不変の原理が分からないと,こんな議論も噛み合いません.

A2 すみません.引っかけ問題です.選択肢に正解は入っていません.

正答率:21.6% です.

絶句です

国研も痛いところ突くな~とは予想はしていたのですが,子どもたちにとってこれほどまで算数・数学が抽象的だったとは!!

3択による偶然正解も考慮すると事態はより深刻!!!

助言・新聞報道・対応例

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■ こんな対応は?

ボトルに入ったジュースをコップに少し分けます.そしてたずねます.

ボトルとコップのジュース,どっちが甘い?

かなりの確率で.ほとんどの子どもは「同じ!」というでしょう.

中には園児でも正答しますよ.

(ジュースでなく)塩水なら数千年前の縄文人でも,です.

⇒ 目の前で確認できる現象なら本問はフツーの問題

つまり,「眼前」と「ペーパー上」の間に,とてつもない断裂があるのです.

⇒ 日常現象を「机上に落とす」創意工夫を重ねましょう.

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■ 助言&報道

国研報告集:「日常の具体的場面に対応させること」「生活経験を想起させること」

新聞報道 :共同通信系と朝日新聞で濃度問題を取りあげています(他社は未チェック).

   朝日(’22.7.29)

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<補足>

■ 本問を通して,日常生活の中に数理を見つける力(=教材観察力とでも言いたいですね)が問われた感じがします.

ジュースをコップに分けながら,変わるものは何か,変わらないものは何か・・・普段から観察する力! 

国研から「皆さん,しっかりしてくださいよ」と挑戦状が叩きつけられた,とするのは飛躍解釈でしょうか.

■ この種の実態が知れ渡るとしばしば出てくるのが「問題は読解力ですよ.言っている意味が分からないのです.それは国語力の・・・」という解説(弁明)です.

⇒ もしそうならば,国語科に任せることなく,算数・数学を通して読解力を付けましょう!

■ 次回テーマは「中間値の定理って何だ?」(予定)です.存在定理の代表みたいな感じですね.

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