たかが”植木算”

よく知られている植木算についてです.ある距離に一定間隔で木を植えたときの,木の本数,間隔数,そして距離との関係を,ちょっと”引っ掛け”も細工したりして問う問題です.

09 20210428植木算1

■ 上の図の場合は両端にも木を植えることより,5m×6本=30m となり,

   (木の本数)=(間隔の数)+1

となるわけです.これを基に,次のような内容が公式(or まとめ)として紹介されています.

よく目にする植木算公式です・・・

■ Ⅰ 両端に木を植える :木の本数=間隔数+1

■ Ⅱ 両端に木を植えない:木の本数=間隔数-1

■ Ⅲ 循環して木を植える:木の本数=間隔数

⇒ 納得しやすい公式で,問題への対処もスムーズにいくかと.ただ,次のような問に対してはどうでしょうか.

09 20210429植木算2

”暗記” タイプではない植木算

■ 公式には大別して2タイプ.

①暗記タイプ(←思考・時間の節約のため)・・・三平方の定理,2次方程式解の公式,余弦定理など 

②プロセス重視タイプ・・・比例公式(a/b=a’/b’),植木算公式など 

どちらのタイプも,活用しつつ次第に身に付けていくことが肝要ですね.

■ 上のです.植木算ということで上記公式Ⅰ~Ⅲを適用しようとするわけですが,結構手こずるヒトが多いのでは.苦し紛れに,(1000-100)÷7 などと計算を始める方いませんか?

植木算は,プロセスに本質あり

09 20200516地球儀数詞

■ 世界は広く,21世紀の今日でも{1,2,いっぱい}という3種類の数しかない未開の地もあるようです.バカにしてはいけません.私たちの祖先も同じだったでしょう.

■ 植木算公式「Ⅰ:木の本数=間隔数+1」を導く際,よく目にする解説です.

「30mの距離を5mずつ区切ると,間は6つできますね.このとき,木は7本でしょ.このように・・・」

率直に言います.この解説には,奥行きも深さもなく,したがって,次に活かせる発展性も”なし”です.

■ 3以上の数詞を知らない未開地でも,ヒトビトは互いに食物を平等に分けあってきました(多分).5 も 38 も知らない(カウントできない)のに.なぜ? 植木算にそのヒントがあります.

植木算 ⇒ カウント×,対応〇

09 20210430植木算3

■ 上の図は,「一番左の木① ⇔ 一番左の”間”b1 」を対応させている様子です.

以下,同じような操作により,②⇔b2 , ③⇔b3 とします.

■ すると,最後の”間”は,bの何?

当然,bn-1  となります.

その際,改めてb123・・・と,順に数え上げること(カウント)は不要で,対応した木の”割り当て番号n-1″をそのママ使用すればよいわけです.

 

09 20200422縄文金銭感覚

元をたどれば,私たちの先祖が木の実や魚など食料を分け合う際も,ヒトと食料を”対応”して過不足を調整したことでしょう.

このように,”数える”ことより,”対応させる”ことが,より根源的な思考なのです.

■ 2つの集合があり,それぞれの要素a,bを何らかのルールで対応させること

    a → b 

は,関数の原型(本家)となります.

※ なお,数学では,似たような意味で”写像”という概念もあります.対応とほぼ同一です.また,対応の中でもっとも有名なのが,1対1対応(one to one)です.

 

次は,よく知られている問題です.

Q2 格子状の道路があります.点PからQへの最短コースの取り方は何通りありますか.

09 20210504植木算9

A2 解き方の一例.

最短コース ⇒ つねに,右1つ(R) か 上1つ(U) のルートをとる

これ以外のルート(左や下)をとると,その瞬間,アウトになりますね.

図の例:RUURRRURRU と示されます.このように,

最短コース  ⇔  R:6個,U:4個 を一列に並べた順列 

          (1対1対応)

したがって,同じものを6つと4つ含む順列の総数ということで,

 10!÷(6!×4!)=210(通り)

ところで,このQ2ですが,各格子間距離が一定でない場合はどうなりますか?

09 20210504植木算10

改めて,数列とは何でしょう?

■ 数列{a}は,i→ ai (i=1,2,3,・・・)という対応です.

したがって,a1 ~ aまでの個数を調べるときは,カウントしなくてもよいのですね.n自体がその個数を示しているからです.←カウントしたとすれば,二重作業をしたことになります.

冒頭で取りあげたQの数列による解答例は次のようになります.

09 20210502植木算5

※ 末項の998が求めづらい(求めたくない)ときは

   7n+95<1000 ∴ n<129.2

 この不等式を満たす最大整数nは,n=129・・・(答)

■ 数列を使用しない解答例

102 と 998 を探し求めます.

998-102=896 , 896÷7=128

つまり,間隔数:128 なので,求める解は,129個

階差数列のツボ

■ 数列は,①等差数列 ②等比数列 ③その他(雑)数列 と大別され,実際,この順に習います.

■ 「雑」数列を前にすると,平方数列や逆数列など(例:1,4,9,16,25,・・・),見た目で直ぐ形が理解しやすいを除き,ある項とその前の項との差をとって見たくなりますね.この差からなる数列を(第一)階差数列といいます.

 例    3 , 8 , 15 , 24 , 35 ,・・・ 

 階差数列   5, 7,    9,   11, ・・・

ここで,階差数列が式化できるときは,元数列も式化できます.この階差数列と植木算がバッチリ繋がっています.

09 20210503植木算7

■ 階差数列の末項bn-1 (=Σ記号の端数)がスムーズに出てこないヒトもいます.「対応」が見えれば,カウントは不要です.

09 20210503植木算8

■ 次回テーマは,「必要感をもたせる」(予定)です.今日,新課題が次から次へと学校教育に押し寄せています.加えて「コロナ」です.時間不足ですね.が,そういう状況下であるならばより一層,学ぶ意欲喚起に繋がる”必要性”に目を向けましょう.

■ 本ブログのエンド(or冒頭)に,「にほんブログ村」のバナーが2つずつ並んでありますが,それぞれClickしていただければ幸いです.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です