グループ学習にはふさわしい協議題を!
算数・数学の授業におけるグループ学習(「協働的な学び」の一場面)のメインテーマを”グループ協議題”とします.

■ 算数・数学のグループ協議題の設定について,留意しておくべきコトを順不同で挙げます(本blog’26.3.10の再掲).
① 教科書掲載の例題や問をソノママ用いることは避ける(情けない)
② 一人では不十分,しかし協働なら深まるであろうレベルを追究する
③ 単純正解確認レベルは避ける
④ 意見比較や根拠説明にpointを置く話し合いに努める
⑤ 小中高算数・数学を貫く思考を追究する
■ 最近,目にした協議題例を紹介します.数学A(学年:高1相当)の「整数の性質」で取り上げられた問です(出典:中山芳一氏他「認知能力×非認知能力を育てる」明治図書).
一般の高校生でもかなり手こずるレベルですが,小中校でも実施可能な内容で,「食らいつく」児童生徒も少なからずいると予想します.
これといって公式も見当たらない・・・さて

Q 1から200までの整数を表に書いたカードがある.最初にすべてのカードを裏の状態にして,次の200回の操作をする.
①操作1 1の倍数のカードをすべてひっくり返す
②操作2 2の倍数のカードを 〃
③操作3 3の倍数のカードを 〃
・・・・・
以下,操作200まで繰り返す.
操作が終了したとき,表向きになっているカードは何枚あるか.
(正解と解説は末尾)
<補足>
■ 次回テーマは「今の時代,あえて黒板の効能!」(予定)です.
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に関わっていきましょう.
A 出典(「認知能力×非認知能力を育てる」明治図書)をベースにして解説をします.

■ 操作の意味することを理解するため,いくつかの試行錯誤をしましょう.
■ ヒトによりアプローチに違いはあるでしょうが,題意理解のため下図のような表を作ってみました.

■ 具体の数例から一般化するべく努めるのですが,ケッコウ手こずりませんか?
出典の解説によると,実施したクラスの当初の反応
・自分の知識をどう使えばよいのかピンとこない
・倍数なので操作1,2,3 ・・・と進むにつれて対象となるカードは減っていくけど200までチェックする元気はなかった
← 200よりさらに大きくなると,あきらめからさじを投げるヒトが増えそう.100なら数え上げできる,200なら腕力でもやっていけそう,でも大変・・・実に微妙な境目が200なのです.これぞ正に「教材研究」!
<巧みな仕掛け>
■ 執筆者は巧みな指示をします.昨今,やたらと目にする「学び合い=協議」の画一的取り組みに対するカウンターパンチのようです.
①40人クラスであり,各自,自分の出席番号のカードとする
②「表」は起立,「裏」は着席する
→ 「カードの気持ちになって」という指示もニクイ!
③授業者が 1,2,3・・・とコールしたとき,起立,着席の判断を生徒一人一人に考えさせ行動する
正に「集団実験」です.中には,間違う生徒もいたでしょうが,わいわい言いながらクラス内が活気づく光景が目に浮かびます.
40までコールが終わりました.
起立している生徒は5人です.
5人の出席番号を皆で確認するうちに,多くの生徒がある規則性に気付きました.
→ ここまでくれば,「半ば到達」ですね
■ 先の表は,{1,2,3・・・200}と横行をセットして○×を判断していました.縦列をターゲットにして(つまり,出席番号nの生徒だけに注目)変化を調べてみましょう.出席番号5と9で考えてみます.
No5: 操作5以降は,ずっと×
No9: 操作9以降は,ずっと○
・もしかして,25はどうだろう? 該当する!
・「素数平方数は,最後まで○」じゃないか?

・ちょっと待って!16=4² も最後は○だよ.
この辺りのやり取りは,グループ(学び合い)の中で議論が期待できますね.
<結論>
カードNoPは,Pの約数の個数と同じ回数ひっくり返される.よって,ひっくり回数が奇数回となれば表向き(○)になる(例:9・・・操作1, 操作3, 操作9 でひっくり返り,最後は○)
約数が奇数個の数は,平方数に限る(※)
1~200 までの数のうち平方数は,1², 2², 3² ・・・14²(=196)
よって,最後まで表向きのカードは14枚である.
(※)は別機会に取り上げますが,入試問題では「おなじみ」です.
⇒ a² の約数は,{1, a, a² }の3パターン

