(桁数の長~い)かけ算の処理
突然ですが,PCや電卓もない時代だとして
3486784401×1594323÷847288609443 (※)
を筆算で計算してみましょう.実際に作業し出すと,トンデモナイ計算であることが分かります.
けた数が大きいので”天文学的”数計算とされる一例です( → 星間の距離など求める際,天文学ではフツーに扱う)
そこで,16c,17cに活躍した偉人たちの思考をなぞりたいと思います.
その基本は ↓
かけ算を足し算に変換する
■ A国では,数が下の図で示された{1~19683}の10ヶしかないとします.

Q1 このとき,
(1) 729×27 (2) 19683×243÷6561
を計算しなさい.
A1 まず,準備から
a(1以外の正の数)をn回かけるとき,aを底(base),nを指数,積全体の値を指数関数値(以後,値)といいます.なお,n=0 のときの値は1と約束します.
A国の10ヶの数は,a=3,n=0~9のときの値10ヶを選んだものです.

このとき,次の計算例から重要な性質(指数法則)が導かれます.

Q1(1)(2) に戻りましょう.

■ 冒頭の問題
3486784401×1594323÷847288609443 (※)
は次のように答が求められます.

■ このように,指数関数値の一覧表が手元に用意されていれば,一覧表内のかけ算・割り算の筆算作業から解放されますね.
■ ここまでの計算原理をまとめましょう.

指数法則の主張は強烈です.指数法則は,かけ算をたし算に,割り算をひき算に変換する画期的な式・ideaです.
⇒ ただし,ここまでの話は,A国内でのみ通用する話(底が3)で,値も{1,3,9,27・・・}という”飛び飛び”です.
①当然,底は3以外もあるはず.底として使用頻度が高い数は?
②たとえば,底が3で,値が11のときの指数はどうなるのか? 2と3の間だと考えるが・・・
等々の疑問があるでしょう.
① : 1以外の正の数であればすべてokです.よく使用される底としては,10とe(超重要定数でネイピア数という.約2.72)が挙げられます
② : 約2.18 (32.18≓11).指数関数値が飛び飛びにならない(→「連続」という)ように,当時の数学者たちがルール(定義)を創り上げました
※なお,指数関数(y=ax)の逆関数を対数関数といい y=logax と書きます.カタチは変えてますが,実質,両者は表裏一体の関数です.
例:32.18 ≓ 11 ⇔ 2.18 ≓ log311
■ 本テーマの背景を述べます.

■ 時は大航海時代(15c~17c).ヨーロッパ諸国が,富を求めて地球規模の航海活動を展開しました.
その移動手段は船です.しかし,海上には目印もなく,当然,GPSもありません.ほんの少し進行向きがずれると,目的地から遠く離れ食料が尽き遭難に至るなど,海難事故が多かったのです.また海賊もいたでしょうから.
一攫千金を目指した命がけの挑戦だったと想像します.
■ その際,航路を決める重要な原理が三角法であり,三角関数が駆使されました(それも10桁以上の計算精度が必要).
■ 制限時間内で解くことを強要されたた天文学者や”計算プロたち”(いたらしい)の苦労は並大抵ではなかったかと.PCどころか電卓もない時代にひたすら紙と鉛筆で・・・
天文学者を救ったネイピア

■ このような窮地を救ったのが,ジョン・ネイピアです.1614年,ネイピアは20年の歳月をかけて,三角関数の対数(※)を8桁の精度で計算可能にした「対数表」を世に出したのです→ トンデモナイ計算の克服
※対数関数:指数関数の逆関数(表裏の関係で同一と見なしてよい)
■ 天才数学者ラプラスは
天文学者の寿命が2倍になった
とネイピアの功績を賞賛しました.
なお,対数表に基づく計算結果は,基本的に近似値(かなり精度の高い)になります.
※実生活で扱う数値はまず,近似値です.正確な数値を必要とするのは,入試等のテストぐらいですね.
<補足>
■ 参考blog:「海難から人々の命を救った数学-対数の発見」(和から株式会社)
■ 次回テーマは「悪評プンプンの積和公式(三角関数)の名誉挽回」(予定)です.
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