「プレゼント交換」に潜む数理
互いにプレゼント交換をしたら自分のヤツが当たった!このプレゼント交換にまつわる”諸問題”は今となっては古典数学かも.多少視点を変えて話題にしました.
まず,手作業で

■ 4人による互いのプレゼント交換の場合,ヒトとプレゼント品をともに1~4の数で表し,また,各メンバーがこの順で受け取るプレゼント品を順列 (3,2,4,1)などと書くとします.
例{1,2,3,4}→ (3,2,4,1)
※この例では2のヒトだけが自分のプレゼントを受け取るわけです.
■ メンバーn人全員が自分以外のプレゼントを受け取る場合,完全順列といい,その総数をDnとかきます.
Q1 4人でプレゼント交換をしたとき完全順列を列挙し,D4を求めなさい.
A1 {1,2,3,4}の各メンバーがこの順で受け取るプレゼント品を順列 (1,2,3,4),(2,3,1,4) などと表すので,その総数は,4!=24 とおりです.
例:①(2,4,3,1) ②(4,3,2,1)
⇒ ①は完全順列ではない.②は完全順列
24とおりのうち,完全順列となるのは次のとおりです.
(2,1,4,3), (2,3,4,1), (2,4,1,3),
(3,1,4,2), (3,4,1,2), (3,4,2,1),
(4,1,2,3), (4,3,1,2), (4,3,2,1)
よって,D4=9
※先頭の数に注目して分類すると漏れなく・ダブりなく列挙できます.
Q2 D2, D3 を求めなさい.また,それらの結果からD5を求めなさい.
A2
D2・・・(2,1)より,D2=1
D3・・・(2,3,1), (3,1,2)より,D3=2
また,定義からD1=0 と置くことができ,さらに,Q1の結果からD4=9 です.
以上,まとめると
D1 | D2 | D3 | D4 |
0 | 1 | 2 | 9 |

■ 上図②は先頭が2の場合を示しています.他に3,4,5の場合があり,計4とおりありますが,数を置き換えれば同じ結果となります.よって,
D5=(①の4とおり)×{(b)の場合 or (a)の場合}
= 4 × (D4 + D3)・・・ ※
= 4×(9+2)= 44 ・・・(答)
完全順列の出現率
Q3 5人がプレゼント交換する場合と,9人がプレゼント交換する場合とでは,完全順列となる確率はどちらが大きいでしょうか?
① 5人 ② 9人 ③ 同じくらい ④ 変動があり判断できない
A3 excelの乱数機能を用いて変化の様子を見てみます.

上の表は,n=9 の場合,順列の総数:1~10回~20回までの完全順列出現数と出現率を示しています.excel表はありませんが,n=5 の場合も同様に実施しました.
完全順列出現率の結果は以下のとおりで,「③ 同じくらい」が正解のようです.
10回まで | 20回まで | 30回まで | 40回まで | 50回まで | |
5人 | 0.4 | 0.4 | 0.33 | 0.33 | 0.34 |
9人 | 0.1 | 0.3 | 0.33 | 0.35 | 0.36 |
※ excelのランダム関数はファイルを開くたびに機能しますので出現率もそのつど変動します.実際,n=9 の結果も上記A3で用いた表の数値と変わっています.
完全順列の姿が見えてきた・・・
■ どうやら完全順列出現率は
メンバーの数に関係なく,30%台半ば前後に落ち着く
という結果になりそうです.
■ そこで前述した(※) D5= 4 × (D4 + D3)に注目します.

⇒ クラスで席替えをする際,元の席のママというヒトが出る確率は,約63%ということになります.ちょっと意外でしょうか?
<補足>
■ 次回テーマは「弧度法でつまずく」(予定)です.ヒト(高校生)は弧度法で二分されています!
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