アナログ時計の衰退 ⇒ 算数の危機

昨今,日常からアナログ時計がジワジワと姿を消しつつあることに強い”警戒心・危機感”を持ちます.学校社会ではアナログ時計を随所に・意識的に設置してほしいと切望します.

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■ 小1算数では,主に100までの数を扱い,足し算・引き算を学びますが,かけ算(九九etc)は小2からです.

すると,時計の針⇔時刻を読み取る という学びはかなりハードルの高い内容と言えます.

なぜなら文字盤に1~12の整数が明記されていますが

3 ⇔15分,8⇔40分,長針が1周⇔60分⇔1時間 etc

と習います.かけ算も知らない子どもにこれらの 変換 強いるのです

■ 理由は簡単です.

子どもが生活する家庭・学校に,時計の現物があり,日々,時刻と否が応でも向き合うからです.

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「あと10分しかないよ!急いでね!!」

「いつも4時半から〇を観るんだ」

「5分間考えてください」

■ もしかすれば,日本人ほど生活が「時間の関数化」している国はないかも知れません.鉄道ダイヤの正確さは有名ですね.

■ 推測ですが,学習指導要領で時計の扱いを小1としたのは,学校以前に時計が日常生活に溶け込んでいるから(→当てにできた)だと思います.

⇒ 生活数理としての時刻理解

※しかし,この認識は甘かったかも(後述)

■ 時計盤を改めてジックリ見ましょう.

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■ 今,10時10分だとします.

時計盤を見て

あれっ,もう5分過ぎちゃった

出発まで15分しかないね.急がなくっちゃ

とかの判断が瞬時に(目で)分かります

■ 目に見えない時間という量を,針による回転量に変換しているワケです.すごい発明だと思いませんか?

回転角の大きさで時間を把握できる!!

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■ では,デジタル時計の名誉のため特長を確認しましょう.

① その瞬間の時刻が表示される

⇒ 100m走などコンマ以下のタイム測定に適

② 針の位置よりデジタル表示の方が数値を正確に読み取ることができる

※しかし,その瞬間の時刻を「時の流れ」の中で読み取るのは難しい

■ デジタル機器を否定するものではありません.機器の「適材適所」です.

図は①デジタル体重計 と ②デジタル(レーザー)距離計で,それぞれ体重と距離がデジタル表示される優れものです.同じデジタル機器ですが,デジタル時計との違いは何でしょうか?

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① 測定されるモノ(一般にはヒト)が現に存在し,その重さが46.8kg と分かる,つまり,46.8kgの具体がイメージできる

⇒ 他のヒトの体重の大小が見当つくかも

例:あのヒトなら50kg以上はありそう

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② 85cmの距離間隔が目の前で確認できる

例:85cmってこれくらいの長さなんだ.1mはもう少し長いのか.

①②ともデジタル表示されますが,同時に重さや距離の「実際」をその場で確認できることに意味があります.

⇒ この意味でデジタル時計の決定的な弱点が分かる!

つまり,時間は重さや距離と異なり,実際の姿が見えない

<補足>

■ 百ます計算で有名な陰山英男氏がセイコーとコラボした製品を見つけました.各家庭で時刻認識は自然にできると前述しましたが,実態はそんなに甘くないようです.下はx(旧twitter)への陰山氏の投稿です.

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■ 次回テーマは「導入:○と×」(予定)です.

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