dy/dx を dy÷dx としてよいワケ
dy/dx は “yをxで微分する” という内容(⇒ y’と同一)を表しています.”ディーy , ディーx” と上から読み,dy/dx:一体としての操作記号です.
例:y=x³ のとき,y’=dy/dx=3x²
■ そして学習が進むといつの間にか(無自覚?で)
dy/dx は, dy÷dx と同じ意味,つまり分数扱いされていきます.
優れた記号にありがちな”落とし穴”
■ 数学で用いられる数式や記号はほぼ世界共通語化しております.数学は「優れた記号」とともに発展し,一方,合理性・発展性のない記号は自然淘汰されてきました.
例:432×567 を 四三二×五六七 と和算で計算するのは実質ムリ……→ 和算記号は日本における数学文化の一つとして姿を残しているにすぎません.
■ dy/dxはライプニッツによる記号ですが,合成関数の微分など,dy/dxなしでは論が「一歩も進まない」感じです.
このように
優れた記号の使用 ⇒ 思考する時間の節約 ⇒ 数学の発展に寄与
となっています.
■ その際,数学リーダーが注意しなければならないことは
時間の節約 ⇒ 思考の節約
となっていないか?という観察・チェックを怠らないことです.つまり,記号の便利さが,ときには思考力の後退につながり得ることに警戒しなければなりません.
例:①不定積分∫ ②定積分∫[a~b]
この両者は本来ベツモノで生い立ちも異なります.①は逆微分,②は求積(面積と体積)が中身です.
しかし,積分記号∫ が共通していることから,①②について関係(→微積分の基本定理)がスッキリしないママでも計算は進みます.
思考抜きのドリル計算ですからいずれ「壁」と当たります.そのような少なからずの「ドリル漬け」学生と遭遇してきました(不幸なことです).
優れた記号に罪はありませんので,数学リーダーが警戒心を緩めないことです.
dy/dx=dy÷dxの(一応の)説明
■ 非の打ち所が無い解説もあるのでしょうがここでは,解析学の古典的バイブル「解析概論」(岩波,高木貞治)に基づき(やや粗い)説明をします↓
<補足>
■ 上記は,y’が存在する場合の説明です.
物理や工学の教科書では,dx=(1-cosθ)dθ のような式が次々と登場しますので「免疫」を付けておかねばなりません.
■ 次回テーマは「マグニチュードはわかりにくい」(予定)です.
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