コイン&サイコロと確率

種保険料は,年齢や過去の発生数等を基に確率計算により決定されています.確率は統計とともに数学教育でも重視されつつあり,その存在感は強まっています(その是非は別として).

しかし,今も昔も,確率は,超苦手・大嫌いというヒトがいます.本稿では,コインとサイコロをあげ,意外性ある確率の問いかけをいたします.

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どう説明します?

Q1 「サイコロをふったとき,3以上の目が出る確率は, 4/6(=2/3) と習ったけど,目は {出る,出ない} のいずれかなので,答えは1/2 ではないのですか.

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Q2 正しく作られたというサイコロを24回ふりましたが,1の目が一度も出ていません.どの目も出る確率は1/6だから,平均して4回くらいは出てもよいはず.とすると,次の25回目で1の目が出ることは大いに期待できますね.

※Q1,2の解は後半

「コイン投げ」の確率は一定か

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インを10回投げて表が6回以上出る確率は,約0.377 です(※説明は下記).では,100回投げて60回以上出る確率はどうなりますか?

10:6 =100:60 より,回数が比例関係にあることから,確率も 0.377(約38%) ではないかと考えられそうですが,結論は間違い×です.しかも,答えが僅差ではなく,大きく異なる結果となります.

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ころが,100回投げて60回以上出る確率は,約0.02  つまり,2% となります.38%とは,ずいぶんと開きがありますね.

<根拠となった計算式>

※以降,本稿での巨大数の扱いは,サイト 「ke!san 」(カシオ)に拠りました.強力なツールですね.深謝.

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コイン投げ:38%と2% この差はどこから?

イン投げについて,ある回数に”固定”して確率を比較してみます(←“以上”としないで).

10回投げてジャスト6回表が出る確率:P1と,100回投げてジャスト60回表が出る確率:P2について

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P1=0.21 です.この値はおおよそ想像できる範囲かと.

しかし,P2≓0.01 これはどう考えますか? (70回にするとほぼ0).

コイン投げで,回数が10回のとき,表の回数は5回程度を中心に出ます.表6回も21%程度はあり得るワケです.

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しかし,回数が100回ともなると,表が60回となることは,1%程度の確率となります(ちなみに,表が70回となると0%).

したがって,仮に,表が65回も出たとしたら,そのコインが不良品だった可能性が極めて大きくなります.

のように,回数(試行)が大きくなればなるほど,理論上の平均値(コインの場合は1/2×回数)に近づきます(これを大数の法則といいます).

上,まとめますと,「コインを100回投げたとき,表が60回出ることは1%程度であり,60回以上の確率を全部寄せ集めても,2%程度にしかならない」となります.意外な結末ではないでしょうか.

<問の解説>

A1{出る,出ない}は,目の出方の場合を列挙したもの.それぞれの起こり方の確率とはベツモノになります.

コインを投げるとき,場合だけを列挙すれば,{表,裏,立つ}の3通りあります(立つ?そんな~ ⇒ 理論上ですのでok).それぞれの起こる確率は,別途定めなければなりません.「立つ」は0%でしょうが.

A2サイコロを投げる試行は,各回,互いに「独立」です.1回目に1が出たことは,2回目に影響を与えません(サイコロに記憶装置が付いていて,ある目が出る・出ないようにサイコロ自身がコントロールしておれば,「独立」ではありません).したがって,24回まで1の目が出なかったからと言って,25回目に1の目が優先されて出ることはありません.やはり,1/6の確率で出現します.

※「24回までに1の目が出ない」ことは,あり得るワケですが,メッタにないでしょうね(約1.3%).

<補足>

■ 次回テーマは,「道案内3パターン」(予定)です.小4で習いますが,xy平面座標(ガウス平面)の導入に相当します.

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