風車の先端部に着目(速さをイメージ)
今日,再生可能エネルギーと言えば,太陽光発電と風力発電がその代表ですね.地方に行くと巨大な風車が次々と設置され,気忙しい世にあって風のおもむくままマイペースで回転しています(と見えます).
風車の直径,回転数
■ 上の映像とは異なりますが,市民風力発電(株)が設置した青森県鰺ヶ沢町の風車を例に挙げましょう.
ローター直径103mであり,1回転に要する時間は4.00秒でした(動画からストップウォッチで3回計測.3.97秒,3.97秒,4.07秒で平均値:4.00秒).
⇒ この場合,ローター先端部の速さを求めると
103×π÷4≓80.8962m/秒≓291226.32m/h≓291.2km/h
となります(π=3.1416 とした).
■ ローターはゆっくり・優雅に回転しているように見えますが,先端部分は猛烈な速さで回転運動をしており,その速さは約290km/h つまり,新幹線と同じぐらいの猛烈なスピードで回転しまくっているワケです.
※ローターの回転数は風力により左右されますので,上記計算は一条件下における例です.
■ なお,J-power(電源開発株式会社)広報室に確認したところ,秋田県新仁賀保高原で現在稼働中の風車の直径は120m!で,ローター回転数は「社外秘」扱いとのことです.
速さをより実感させる必要
■ ただし,上記解説で,ロータリー先端部の速さを子どもの心に響かせることは,経験則からすると多分ムリで「あーそぅ」で終わりです.
⇒「風車の先っちょは,新幹線と同じくらいのスピードで動いているんだって」という知識伝達で終始する可能性大なり!
せっかくの教材がモッタイナイ.
■ 二つカイゼン策を提案します.
Ⅰ 「体感」策
グランドに直径103mの円を白線で描き(直径を半分にした50.15mで計測した方が実際的か),クラスで足の速い子どもに走ってもらい,タイムを測定して風車の4秒と比較させる.
⇒ この際,100mを10秒で走るトップアスリートの時速が36km/h であることを再認識させたいもの
⇒ この数値は一基準値として暗記させましょう.台風シーズン到来の際,風速30mというニュースがあれば,時速36×3=108km/h≓100km/h と速攻計算可能
Ⅱ 別視点の図解にする
■ ヒトはどうやって「速さ」という量の認識をするのでしょうか.「スゲェー速!」という感覚を持つ原則です.
⇒ モノが直線上を動く様子の観察が根本.円や曲線を描く場合は動く向きが各瞬間ごと変化するので速さ(スカラー量)の認識が難しくなる
■ 風車の速さを実感するには,風車を直線上で走らせること!
もちろん実際はムリですから,せめてイメージだけでも ↓
■ いかがでしょう.つまり,巨大風車を転がす ということです.
直径100m超の車輪を4秒で1回転させながらゴロゴロ線路上を皆で押しまくるワケです.「スゲェー速くなりそう」と感じがしませんか?
<補足>
■ 次回テーマは「Σ記号あれこれ」(予定)です.
■ にほんブログ村ランキング(数学教育)にかかわってバナー↓のclickをお願いします(宣伝が多く恐縮です).
■ もう一つ.「ブログみる」の紹介ブログ村制作のblogを見るためのアプリです.世は正に情報過多の時代.しかし1日は24時間しかありません.できるだけ良質のブログと出会いたいものです.ブログ村が総力を傾注して立ち上げた
に関わっていきましょう.