たかが”植木算”
よく知られている植木算についてです.ある距離に一定間隔で木を植えたときの,木の本数,間隔数,そして距離との関係を,ちょっと”引っ掛け”も細工したりして問う問題です.
■ 上の図の場合は両端にも木を植えることより,5m×6本=30m となり,
(木の本数)=(間隔の数)+1
となるわけです.これを基に,次のような内容が公式(or まとめ)として紹介されています.
よく目にする植木算公式です・・・
■ Ⅰ 両端に木を植える :木の本数=間隔数+1
■ Ⅱ 両端に木を植えない:木の本数=間隔数-1
■ Ⅲ 循環して木を植える:木の本数=間隔数
⇒ 納得しやすい公式で,問題への対処もスムーズにいくかと.ただ,次のような問に対してはどうでしょうか.
”暗記” タイプではない植木算
■ 公式には大別して2タイプ.
①暗記タイプ(←思考・時間の節約のため)・・・三平方の定理,2次方程式解の公式,余弦定理など
②プロセス重視タイプ・・・比例公式(a/b=a’/b’),植木算公式など
どちらのタイプも,活用しつつ次第に身に付けていくことが肝要ですね.
■ 上のQ です.植木算ということで上記公式Ⅰ~Ⅲを適用しようとするわけですが,結構手こずるヒトが多いのでは.苦し紛れに,(1000-100)÷7 などと計算を始める方いませんか?
植木算は,プロセスに本質あり
■ 世界は広く,21世紀の今日でも{1,2,いっぱい}という3種類の数しかない未開の地もあるようです.バカにしてはいけません.私たちの祖先も同じだったでしょう.
■ 植木算公式「Ⅰ:木の本数=間隔数+1」を導く際,よく目にする解説です.
「30mの距離を5mずつ区切ると,間は6つできますね.このとき,木は7本でしょ.このように・・・」
率直に言います.この解説には,奥行きも深さもなく,したがって,次に活かせる発展性も”なし”です.
■ 3以上の数詞を知らない未開地でも,ヒトビトは互いに食物を平等に分けあってきました(多分).5 も 38 も知らない(カウントできない)のに.なぜ? 植木算にそのヒントがあります.
植木算 ⇒ カウント×,対応〇
■ 上の図は,「一番左の木① ⇔ 一番左の”間”b1 」を対応させている様子です.
以下,同じような操作により,②⇔b2 , ③⇔b3 とします.
■ すると,最後の”間”は,bの何?
当然,bn-1 となります.
その際,改めてb1b2b3・・・と,順に数え上げること(カウント)は不要で,対応した木の”割り当て番号n-1″をそのママ使用すればよいわけです.
元をたどれば,私たちの先祖が木の実や魚など食料を分け合う際も,ヒトと食料を”対応”して過不足を調整したことでしょう.
このように,”数える”ことより,”対応させる”ことが,より根源的な思考なのです.
■ 2つの集合があり,それぞれの要素a,bを何らかのルールで対応させること
a → b
は,関数の原型(本家)となります.
※ なお,数学では,似たような意味で”写像”という概念もあります.対応とほぼ同一です.また,対応の中でもっとも有名なのが,1対1対応(one to one)です.
次は,よく知られている問題です.
Q2 格子状の道路があります.点PからQへの最短コースの取り方は何通りありますか.
A2 解き方の一例.
最短コース ⇒ つねに,右1つ(R) か 上1つ(U) のルートをとる
これ以外のルート(左や下)をとると,その瞬間,アウトになりますね.
図の例:RUURRRURRU と示されます.このように,
最短コース ⇔ R:6個,U:4個 を一列に並べた順列
(1対1対応)
したがって,同じものを6つと4つ含む順列の総数ということで,
10!÷(6!×4!)=210(通り)
ところで,このQ2ですが,各格子間距離が一定でない場合はどうなりますか?
改めて,数列とは何でしょう?
■ 数列{ai}は,i→ ai (i=1,2,3,・・・)という対応です.
したがって,a1 ~ anまでの個数を調べるときは,カウントしなくてもよいのですね.n自体がその個数を示しているからです.←カウントしたとすれば,二重作業をしたことになります.
冒頭で取りあげたQの数列による解答例は次のようになります.
※ 末項の998が求めづらい(求めたくない)ときは
7n+95<1000 ∴ n<129.2
この不等式を満たす最大整数nは,n=129・・・(答)
■ 数列を使用しない解答例
102 と 998 を探し求めます.
998-102=896 , 896÷7=128
つまり,間隔数:128 なので,求める解は,129個
階差数列のツボ
■ 数列は,①等差数列 ②等比数列 ③その他(雑)数列 と大別され,実際,この順に習います.
■ 「雑」数列を前にすると,平方数列や逆数列など(例:1,4,9,16,25,・・・),見た目で直ぐ形が理解しやすいを除き,ある項とその前の項との差をとって見たくなりますね.この差からなる数列を(第一)階差数列といいます.
例 3 , 8 , 15 , 24 , 35 ,・・・
階差数列 5, 7, 9, 11, ・・・
ここで,階差数列が式化できるときは,元数列も式化できます.この階差数列と植木算がバッチリ繋がっています.
■ 階差数列の末項bn-1 (=Σ記号の端数)がスムーズに出てこないヒトもいます.「対応」が見えれば,カウントは不要です.
■ 次回テーマは,「必要感をもたせる」(予定)です.今日,新課題が次から次へと学校教育に押し寄せています.加えて「コロナ」です.時間不足ですね.が,そういう状況下であるならばより一層,学ぶ意欲喚起に繋がる”必要性”に目を向けましょう.
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植木算集う並木と並木道
(繋がった道・端のある道)
集う道並木と道は同じ数
(円周の分割点の数=円弧の線分の数)
並木道並木数えて零が一
(年号に零がない 0 → 1)
直線の割り付けでの箇所数は、割り付け数(n)に初めの1(目印の1(基準の零))をついつい忘れてしまいますょね~
植木算+1だと円はいう
(円の割り付けは、同じ数)
円さんはπだというが1がいる
(円周は〇と□のなぞり逢)
円創るπの働き1がなす
(二つの(π+1)二つのi(2π=180°)動(動き続る) )
動とめて静にするのはながしかく
( ヒフミヨ(自然数製造機) )
ヒフミヨはながしかく棲むニンフたち
( 絵本「もろはのつるぎ」 )
(π+1)(e-1)とで零にす
((π+1)+(e-1)=π+e+(0) が ヒフミヨ )
基の1分ける1とは引く割るだ
( (n‐1) → 1/n 自然比矩形 )
エジプトは1と1とを魂と
( エジプト分数 1の単位分数分解 )
ヒフミヨはカオスコスモスπとe
( 1には、【π】【e】【i】 が帯同している)
正則 様
当方の地味なblogにコメントをいただき,ありがとうございました.
「年号に零がない」「直線の割り切り箇所で,”基準の零”を忘れがち」などのご指摘は,端的な表現ながら本質を突いていると感じ入った次第です.
今後とも「チェック」方,よろしくお願いいたします.
あ北のネギボーズ