点と直線の距離公式⇒ ÷√a²+b²登場のワケ
点と直線の距離公式(以下,公式)は,受験数学では必須ツールですが,根号・絶対値付きの分数形式でゴッツいイメージです.特に,突然√a²+b² の登場に抵抗感がありそうです.

定理 点(x₀,y₀)と直線ax+by+c=0 との距離d:
\[
d=\frac{|ax₀+by₀+c|}{\sqrt{a²+b²}}
\]
点と直線の距離公式と学習者との「距離」
■ 公式への「苦情」あれこれです

① 数がなく文字だらけ
② 証明がやたらメンドー
③ √a²+b² の登場が唐突
公式の証明方法あれこれ
■ 公式の証明は大別して,Ⅰ2直線の交点を求める,Ⅱ ベクトルの内積を用いる,Ⅲ 三角形の面積を2方法で求める の3とおりの方針があります.
Ⅰは腕力が必要,Ⅱは計算のスマートさ,Ⅲは発想の鋭さ 等々の印象があります.いずれも 直角 が論理展開の要となっています.
ここでは証明法Ⅰをベースに,√a²+b² の唐突感カイゼンをめざします.
÷√a²+b² 登場の背景

※ 図は,a>0,b>0,c<0 ,点Pが第1象限内で直線Lより下方にある場合を示しているが,他のときも計算式は同一になる(ただしa=0 のときは別途検討するが,結果として本公式に含まれる).


(注)上の解説で「線分AB」は有向線分,線分の長さは|AB|としている.
√a²+b² 登場の深掘り



<補足>
■ 結局,直角 ⇒ 三平方の定理 ⇒ 直角三角形の斜辺:√a²+b² という背景でした.
■ 算数・数学に置ける暗記は否定しませんが,原則は「ナットクして暗記」です.
■ 次回テーマは「部屋割り論法」です.主張はシンプルですが実際の適用となるとどうでしょうか.
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