その数学用語 ⇒ 扱いが雑では?
独特の言い回しが数学にはありますが,その扱われ方はどうでしょう.無意識に「ぞんざい」になっていませんか.
■ 教科書をみると,中1数学から記述が急に「大人びて」きます.論理用語や記号が増加して,中には戸惑う学習者が表れても不思議ではありません.
<中1の教科書から一部紹介>
■ 漢字も難しくなく字面は追うことはできるでしょう.しかし,何を主張しているのかイメージもできないので,「まあ,次へ行こうか」という声がほとんどかと.
後に習う関数の定義そのものですから,中1生がナットクするのは難しい!?
つまり,関数値として”一価”はよいけど”多値”はダメという意味ですね.
この”一価”を,1次関数のように「1対1」でなければならない,と安易に解釈している向きもありますので要注意です(下図で左の関数もok).
■ では,中1数学の担当者はどう対処すべきでしょうか.
①表面的にスルーする態度がワーストです.少なからずの学習者がスルーする中,指導者も同じ次元であってはなりません.
②高校並みに,関数の定義をガチガチに伝えるのもおかしいです.中1生はこの段階では,グラフ自体も正式には扱っていませんから.
■ よって,①②以外の方法を創意工夫するしかありません.※理科や社会ではグラフは登場していますので,それらを使用しての説明は可能でしょう.
■ 「本文の解説はこの程度で終えますが,奥行きと底が深いことは押さえてください」くらいは伝えてほしいものです.特に学習の進んだ子どもには.
■ この「ある」とはどんな意味でしょうか.中学生がどう解釈しているか気になりますね.「ある数」を「任意の数」と勘違いしているかも知れません.是非,解釈している中身を確認し合いましょう.
「あるところにおじいさんと・・・」「ある中学生が道端でケータイを見つけ・・・」などと同じ意味で,連体詞に相当します.
「ある自然数がある」などという言い方も.→日本語は難しい
■ 「一般的に」という言葉・表現は実に便利です.やや堅い言い方ですが,企業や行政の会議等ではしばしば用いられます.
■ “特別ではない”,”広く行き渡っている”,”普遍的である”の意味ですが,日常会話では使用頻度はかなり少ないかと.
■ 教科書でみると,数学以外の教科ではほとんど登場しません.
⇒ 数学の授業を通して「一般的」の意味と使い方を徹底しましょう.他教科に任せてはいけません.
■ 「いつも~できるとは限らない」は「いつも~できる」の部分否定ですので,できる ときも できない ときもあります.
是非,この確認をしながら展開を続けたいものです.ぼんやりと分かった気になっている子ども,ケッコウいます!
■ 「したがって」「よって」は中学以上の数学では,使用頻出の論理接続用語です.この用語をきっちりマスターすると,答案にシマリが出てきます.
論と論の間&繋がりが見えるワケです.
■ 「ところが」「ところで」の使い方も身に付けましょう.
<補足>
■ 用語についてのblogとして,数学用語アレルギー(1)‘20.5.18, 数学用語アレルギー(2) ‘20.10.25 へ訪問ください.
■ 次回のテーマは「変な問題」です(予定).意欲喚起に用いたいものです.
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